参加者紹介2019年

参加者紹介

宮城県仙台南高等学校

 未来を担う青年として、高い知性と幅広い見識をもち、情操ゆたかな実践力に富む人間を育成することを教育目標とした県内有数の進学校です。
  震災後の津波によって、この学校の音楽部合唱団の生徒が命を亡くしました。
   仲間の追悼のため、身近な人の命が奪われてしまう災害の恐ろしさを後世に語り継ぐため生徒たちが歌い継いでいる歌の一つが「わせねでや」です。
  今回は、2018年5月の第39回定期演奏会の演奏を収録させていただきました。学生たちが歌い継ける意味、その決意と気迫あふれる渾身の歌声と演奏を感じてください。

宮城県石巻好文館高等学校

今年で創立107年目の歴史を誇るこの学校では、「好文好武で明日を拓き夢現実へ!」の旗印のもと「何事にもまじめに取り組み全力をつくす」良き伝統を継承・発展させ、地域のリーダーのみならず、国内外で活躍する多くの優秀な人材を輩出している学校です。 また、校歌の一節「甲斐ある人といはれなむ」を校是と掲げ、「甲斐ある人」つまり「真心をもって世のために尽くす人」を好文生の生き方と定め、地域交流やボランティア活動にも積極的に参加し、東日本大震災で被災した石巻・宮城県、ひいては日本の復興・発展の新たな担い手として、将来社会に貢献できる優秀な人材の育成に積極的に取り組んでいる学校です。今回は、常にハイレベルの演奏で活躍している吹奏楽部の皆様に、「がんばれニッポン」 吹奏楽版を、東日本の復興と日本復興への決意溢れる演奏として収録させていただきました。

福島県南相馬市立小高中学校

東日本大震災による大津波と原発事故により避難を余儀なくされ、市内鹿島小学校の仮設校舎等で授業を行っていましたが、2017年4月、小高の校舎で6年ぶりに授業を再開した学校です。近年全国で歌われている「群青」は、仮校舎で過ごしていた当時の生徒達が、震災で全国に離れ離れになった仲間を想って創られた合唱曲です。校歌には、相馬藩小高城を水面に浮かぶ舟に例えた「浮舟城」や日本三大磨崖仏の石仏がある「大悲山」など、古里小高の先陣の努力と偉業を伝えた歴史や自然がふんだんに盛り込まれています。「われら世紀の朝をゆく」震災後、生徒数は激減したものの、生徒達は百年先の幸せを創り出そうという決意を胸に夢と誇りを持って学校生活を送っています。今回は勿論「群青」、決意と夢と誇りを持った全校生徒・全教職員で歌っていただきました。

札幌大谷高等学校

「学び知ることの楽しみを味わおう」「すなおな心で真実を求めよう」「身体をすこやかに鍛えよう」「限りなき恵みに感謝しよう」四つの道しるべを校訓とし、今ある自分をそのまま受け入れ、容認し、感謝する心に支えられた「慈愛に満ちた人格」を形成することこそが「人間教育」、この学校の目的とする教育方針は、時代ニーズに合致した人材育成として、各方面から注目を集めています。また、「慈愛に満ちた人格」を備え、自立した社会人を育成することが「社会的責任」とするこの学校からは、地域に限らず多方面に於いて多くの優秀な人材を輩出しています。
今年は、昨年9月の北海道胆振東部地震によって犠牲になってしまった方々への追悼と、被害に見舞われた方々への応援の気持ちも込めて、音楽部生徒による素晴らしい歌声を収録させていただきました。(今春、野球部の第91回選抜高等学校野球大会初出場が決まりました。がんばれ!)

 尚絅学院中学校

キリスト教の教えを土台とした人間教育の実践と、生徒一人ひとりとしっかり向き合う少人数制を基本とし、進学教育・国際教育・生き方教育の3つの教育を柱に尚絅6年間の一貫教育で、能力と個性を伸ばす教育を実践されている学校です。
 特に中学校では、自ら考え解決する学習法「考え型教育」を全ての学びの基礎とし、グローバルな視野と価値観、国公立大学や有名私立をめざす高い学力、そして人として輝いて生きるための人間性を育てることを大きな目的としています。また、進学教育・国際教育・生き方教育等のユニークな教育のもと、論理的思考力を3年間徹底的にトレーニングすることで、問題の原因を発見し、解決する力を身につけさせる教育を実践している学校です。今回は、おもいでのうたコンサート独唱コンテスト最優秀賞を受賞した蛭田優莉亜さんの素晴らしい独唱を収録させていただきました。

聖ドミニコ学院小学校

 

「心・礼・知」3つの要素の育成を教育方針とした学校です。
「心」とは、誠実で明るく、他人への感謝や奉仕の気持ちにあふれた心。「礼」とは、基本的生活習慣を確立し、社会性を養う礼の気持ち。「知」とは、基礎の徹底などの学習習慣確立による知への探求心。この3要素を基本方針とし、共に学び、共に在ることが喜びとなる生き生きとした学校を目指すことで、「互いに思いやり愛し合う子供」を育成することを教育目標としています。
今回は、合唱団の素敵な合唱で、仙台で創られた曲「花の冠」を収録させていただきました。
「心・礼・知」の備わった素晴らしい子供たちの美しい歌声を聴いてください。

山木屋太鼓

福島県伊達郡川俣町を拠点に活動している和太鼓団体です。「地域に根差す若者の育成と発展」を目的に、2001年に発足した山木屋太鼓は、「美しい自然、そしてここが故郷」をテーマにオリジナル曲を創作し演奏活動を続けています。東日本大震災後には地域の元気を取り戻すため、自主公演活動や、「つながっぺ山木屋フェスティバル」、「東日本大震災復興支援ライブ」等の地域活動の他、米ミシガン州での海外公演などを通じて、福島の現状や被災者たちの想いを直接発信する活動を精力的かつ継続的に行っています。
 今回は、結成15周年記念CD「ふるさとの響き」にも収録されている曲「祭輪花」を収録させていただきました。東日本大震災後に創られたこの曲は、震災前の地元の祭りの時の様に、人々が輪になって踊る活気ある風景を再現した曲です。更なる力強い復興を期待し、元通りの祭りの風景が戻ってくる事を願って創られたこの曲の勇壮かつ荘厳な太鼓の響きを感じてください。

エストニア国立男声合唱団 

バルト三国屈指の合唱大国、エストニア共和国が誇る合唱界の伝説的な国立男声合唱団です。 エストニア初となるグラミー賞受賞を果たし、世界各地で行われるリサイタル・ツアーも常に大成功を収めるなど、名実共に世界最高の男声合唱団です。「歌うことは生きること」「歌」によって独立を勝ち得て100年。昨年独立百周年記念の年に行われた初の日本公演では、各地で大変な大盛況のコンサートとなりました。
今回は、エストニア民謡「Tasase Maa Laul」と、仙台公演で演奏した「夕焼けこやけ・お月さま」この曲は、日本人で唯一エストニア国立男声合唱団正団員の西村英将氏によって編曲されました。大変残念な事に、この日本凱旋公演を前に昨年8月にご病気で逝去(享年42歳)されました。西村英将氏への追悼の念をもって演奏された曲と合わせて、世界最高の合唱を収録させていただきました。惜しまれつつ亡くなった西村英将氏のご冥福をお祈りいたします。

復興の詩プロジェクト(おもいでのうたコンサート)

東日本大震災以降、テノール歌手の松尾英章氏を中心に、音楽、特に合唱を通して被災地域の青少年育成を目指して、継続的に活動されている団体です。
毎年、復興支援としてコンサートを開催していますが、2017年からは、東北合唱の聖地とも言われている多賀城市文化センターにて「おもいでのうたコンサート」を開催。
昨年も総勢350名の参加者と満員の来場者が一体となっての素晴らしいコンサートになりました。私達JAFA復興継続支援プロジェクトも協賛させていただいた、このコンサートから、独唱コンテスト最優秀賞を獲得した尚絅学院中学校の蛭田優莉亜さんの素晴らしい独唱「まあるくとなり」と参加者と来場者全員の合唱「ふるさと」を特別に収録させていただきました。

塚原光男
 

皆さまご存知の日本体操会のレジェンドです。メキシコ、ミュンヘン、モントリオールの3大会オリンピック金メダリストです。鉄棒の「月面宙返り(ムーンサルト)」、跳馬の「ツカハラ跳び」の開発者です。
2016年のリオデジャネイロ五輪では、日本体操会の大活躍をはじめ、日本選手団の大活躍の原動力としてご尽力なされました。更に2020年の東京五輪に向けて大忙しの日々の中でのご参加をいただきました。
さまざまな競技団体において後進の指導をする立場で活躍中ですが、同時に被災地支援にも精力的に活動され、特に被災地子供たちの未来を案じておられます。
その思いを込めて、作詞作曲された曲が「がんばれ ニッポン」です。今回も、吹奏楽版とビックバンド版を収録させていただきました。

前田 憲男

昨年お亡くなりになられましたが、戦後の日本の音楽界の道筋を創り上げて来られた方です。
作曲家・編曲家・ジャズピアニストと、マルチに大活躍した世界に誇る日本の音楽家です。特に日本のジャズ界では、神業師的なアレンジャーとして知られた偉大な存在でした。
私達の活動には、プロジェクト当初からご理解とご協力をいただき、塚原光男氏作詞作曲の「がんばれニッポン」は、高校生向け吹奏楽版として、社会人・大学生向けにビックバンド版としてオーケストレーションして頂きました。
前田憲男氏がアレンジして残された素晴らしい数々の曲は、演奏家や作曲家・編曲家を目指す後進の子供達には是非聴いていただきたい曲ばかりです。
私たちはこのプロジェクトを通じて、今後とも前田憲男氏の音楽を子供達に紹介して行きたいと思っております。

さとう 宗幸

昨年デビュー40周年を迎えられました。40周年記念コンサートでは、「今が青春」と銘打って「生涯現役スィンガーとして燃焼して行きたい」と宣言なされる程、益々意気軒昂な宗さん。仙台拠点に、シンガーソングライター、司会、俳優、タレントとして、更に精力的に活動されていますが、実は、時代を担う子供達に対して、並々ならぬ思いを抱いているのが宗さんです。
震災直後から、被災した子供達支援活動を開始し、地元仙台のみならず、各県の被災した地域へ直接出向いて住民と交流するなど、被災後からの一貫した復興応援活動には頭が下がります。
今年は、昨年リリースされた「さとう宗幸 全曲集2019」に収録されている歌「二度とない人生だから」を収録せていただきました。
宗さんの人生哲学ともとれるこの曲、是非皆さんに聴いていただきたいのです。

あいはら ひろゆき

絵本「くまのがっこう」の作者です。仙台出身の彼は、2002年に絵本作家としてデビューする以前は、まったく畑違いの広告業界で活躍していました。長女の誕生をきっかけに絵本世界と出会った彼は、「子供たちだけで頑張っている姿を大人は外から応援する」という世界観を絵本の世界で表現しています。子供のする事に大人は手を出さず、少し離れて見守っている。すると子供は安心して自由に遊ぶ。そう言う距離感を大切にした作品を手掛けている作家です。

  「くまのがっこう」(株式会社キャラ研)

 

 

 

子供たちに大人気の絵本「くまのがっこう」は、昨年16周年を迎えました。
「LIFE~あたりまえの暮らしを楽しむこと」をテーマにした絵本の世界は、子供たち、すべての人たちの生活に普遍的な「しあわせ」を提供し続けて愛されています。被災地支援活動「チア ジャッキーズ」では、被災地で頑張る子供たちを応援するための訪問活動、チャリティミュージカル開催、寄付活動や絵本・画材、衣料・医薬品の寄贈などの社会貢献を積極的に継続的に行っています。

 

 

「花の冠」について

2011年3月11日の東日本大震災から1か月、この詩が生まれました。
作詞の大越桂さんは、仙台出身。お母さんの手のひらに文字を書いて作詞する筆談詩人です。
桂さんは、1989年819gの未熟児で生まれ、重度脳性麻痺、未熟児網膜症による弱視、13才で気管切開により失声し、筆談で「言葉のコミュニケーション」を始めました。  詩集「花の冠」は、仙台市に住む桂さんが、復興支援チャリティーコンサートのオリジナル曲のために書いたものです。けれども、「がんばろう」「地震」「津波」の言葉も出てきません。ゆっくりでいい、生きていていい。そう思える、やさしい歌です。
  「嬉しいなという度に、私の言葉は花になる」
この詩は、仲間たちによって広がり、その後、松浦真沙さんが合唱曲として作曲、「今は小さな種だけど、いつか、みんなが笑顔の花になるように」との、復興の願いが込められた歌になっています。

「わせねでや」について

宮城の方言で、「忘れないで」を意味します。
震災で亡くなった方たちへの追悼の意味と、大災害を忘れる事無く、いつまでも後世に伝えなければならないと言う想いを込めた歌になっています。
原詩を書いたのは、宮城県塩釜市桂島在住の内海和江さん。大震災の津波の影響で、一時期声が出せなくなりながら、避難所にて一編の詩を綴りました。その詩に込められたのは、故郷や家族を想う優しい気持ち。それを後世に残しより多くの人にその惨劇を伝えるために、ヒザシさんが曲を付け歌われるようになりました。
「震災で命を亡くした人々のためにも」
「この震災の恐ろしさを後世へ語り継いで行くためにも」「もとあったあの美しい風景を、再び取り戻すためにも」との決意で、仙台南高校の学生たちが、今も、これからもずっと歌い続けて行く歌です。

「群青」について

大震災から2年後、福島県南相馬市小高区にある小高中学校の生徒達によって創られた歌です。小高区は、東日本大震災によって甚大な被害を受け、福島原発から20kmという立地から、住民全員が避難した地域です。
全国に散り散りになってしまった友を想う子供たちの言葉が綴られて歌になっています。
校歌には「浪群青に踊るとき」、毎年開催される文化祭は「群青祭」と言われ、小高中学校を象徴する言葉であることから「群青」と名付けられました。
百年先まで、群青の地の子供達が歌い繫げて行く歌です。

「がんばれニッポン」東日本大震災 復興応援歌について

体操・オリンピック3大会金メダリストの塚原光男氏が作詞作曲した歌です。
趣味の歌・ギターはプロ級の腕前の持ち主です。東日本大震災後、何度もボランティアに出向く中で、特に塚原氏縁のある宮城県石巻の惨状の記憶は、今でも鮮明に蘇ってくる記憶だそうです。その石巻で感じた復興への願いと、「負けて欲しくない」「がんばって欲しい」「応援したい」との、塚原氏の温かい励ましの気持ちが込められた曲です。
この曲は、その歌に込められた気持ちに賛同した日本を代表するコンポーザー前田憲男氏によって、スペシャルエディション「吹奏楽版」「ビックバンド版」として、学生、社会人が演奏できる作品になりました。